募集費用の形骸化

10年以上前には症例単価のみで被験者募集を実施していた募集会社(以下、PRO)ですが、現在では症例単価以外に広告費や管理費・イベント費用など、多くの費用項目が積み上げられます。

過去と現在の募集費用の違い。


その理由として考えられるのが、PROの依頼者が変わったという点と、リスクを避けたいPROの広告代理店化が進んだという点です。

もちろん、被験者募集の難易度は年々増加傾向にありますが、それが全ての理由にはなり得ませんし、昔と比べてその費用相場に見合った効果が出せているかと問われれば疑問が残ります。

費用の考え方

昨今の被験者募集は、既存データベースがあるからといって、広告をかけずに被験者を集めるのは至難の技です。

弊社では以下のようなイメージで広告の原価費用を算出しております。もちろん各パーセンテージはプロトコルによって異なりますが、数字を変えるだけで大体の費用感を掴んでいただけます。

これは、健常人を対象とした試験の場合でも、疾患を対象とした試験の場合でも基本的に変わることはありません。そのため、弊社では募集開始前に試験の見込み歩留まりの聴取やFIXを大切にしています。

良くも悪くも、最終的にどこの数値が見込みと乖離があったかを明確にすることによって、PROとしての責任の所在も明らかになります。試験実施が終わり、漠然と「PROの見込みが甘かった」では、次に生かすことができないと考えています。

また、リスクの取り方云々を抜きにすれば、基本的にこれを逆算することにより、どのポイントでも費用設定が可能です。
※広告獲得単価は有病率や実施地域・過去の実績などにより算出します。

募集費用の計算式。


上図のように、広告獲得単価が予測できれば、その後の電話予約・初回来院・同意取得・組入(Randomize)までの割合はおおよそ算出可能です。ここで一番変化率が大きいのが電話予約の数値(60%)です。これはクライテリアにより左右されるため、その疾患で応募(獲得)があったとしても、この数値が2%以下まで下降する場合があります。


まとめ

ここでは、私たちが考える被験者募集の費用についての考え方をご説明してきました。組入までは多くのステップがあるため、募集に掛かる費用についてはなかなか顕在化させづらいですが、分解する事によって一つ一つのコストが見えてきます。

もちろん、全ての数値を最初から明確に計ることは不可能ですが、弊社では納得していただける費用設定を大切にしています。